ヒューマンドキュメンタリー映画祭・阿倍野|第13回・2015年度映画上映

第13回(2015年)上映作品

ASAHIZA 人間は、どこへ行く(74分)

朝日座は、福島第一原発から30km圏内、福島県南相馬市原町区にある大正12年に開館した古い木造の劇場。街の衰退とともに閉館したが、人々は映画館として再生を模索してきた。
そんな時、大震災とともに原発事故がおこる。静かな地方の街は、「暮らせる」と「暮らせない」を隔てる国境の街になっていた。
しかし、この映画は地震や原発事故についての映画ではない。朝日座という劇場をめぐる人々の記憶をたどるドキュメンタリーだ。土地に根付いた人たちの暮らしにカメラは入り、朝日座についてのインタビューを行う。また、故郷を離れて他の街で暮らす若者たちにもカメラを向ける。
そして、朝日座について語る人々を撮影した映画を、朝日座で上映する。映画に出演した人々やその家族、友人たちなどに加え、東京からバスに乗って、朝日座と南相馬周辺を見学するツアーの人々が合流して行われる映画会。朝日座に、人々が集まる。それは、インタビューで語られる往年の映画館の賑わいを思わせる瞬間でもある。歴史をもった映画館は、きびしい現実のただ中にある人々にとって、映画や街の記憶で人々の心を繋ぐ特別な場所であり、これからの人々の未来を照らす灯台のようでもある。
日本の、そして、人間の未来は、どこに向かうのか。ASAHIZAという映画を通じて、朝日座というひとつの劇場、南相馬という地域からの、答えのない問いかけが、この映画のすべてのディテールに内包されている。

藤井 光 監督

1976年東京生まれ。
自然災害を含む、政治、経済、精神的な痛みを被る人間の危機的な状況において、芸術表現は何処へ向かうかを問い続けている。前作『プロジェクトFUKUSHIMA!』(2012)は国立近代美術館所蔵。

※リンク切れになる場合がございます

舞台挨拶(藤井 光 監督)


↑ PAGE TOP