ヒューマンドキュメンタリー映画祭・阿倍野|第14回・2016年度映画上映

第14回(2016年)上映作品

コンテストの総評及び閉会式あいさつ
伊勢 真一 監督

 一番最後まで、付き合っていただいてありがとうございました。
すごくよかったですよ。毎年、このコンテストの応募はだいたい30作前後くらいなんですけどね。今年は50作品来てまして。もちろん、それを全部観たんですけども。すごく多様な、幅があるんですけども。
応募してる(作品たちの)ひとつの特徴としては、若い人達が多くて。
入賞の人達の年齢が20代、大学生が多かったと思うんですけど。
20代、全部若手で。いつもは結構40代っていうのがですね。50代の方が応募したりしてもあったんですけど。今年は全体にすごく若いことや、女性がすごく頑張っている印象を受けました。
実際の今回入賞作品になったものの中に、大学の映像ゼミかジャーナリズムゼミみたいなところで、映像を作ろうってことがあって、作った作品を、20分枠の中に入れて応募したっていうのが何本かあって、それが入選したりしてるんですけども。そういう作品の傾向としては、ある意味でテレビのニュースの企画ものみたいなものも多かったですね。
もちろん、それをエチュードとして真似をするというのは悪いことと、僕は思わないけども。ただ、その枠だけにとらわれないで、もっと言い方はあれですけど、下手くそでもいいから、何か自分たちなりのみたいなことを。 その学生の作品もそういう作品がもっと出てくるといいなという印象を持ちました。ただ、せっかくこういう大きなスクリーンで観て、みんなでコンテストを争うっていう所に持ち込むんですから、単なるその既存のテレビで見るニュースやテレビの企画ものみたいな枠にとらわれない企画であり、それから作り方みたいなことを、これからやってもらえるといいなと思いました。
あと、いわゆる「パーソナルドキュメント」というんですけども。
個人の、その自分の家族だとか、自分の関係を。僕の「えんとこ」なんかは、ある意味ではパーソナルドキュメントだと思うんですが。友達の関係で撮っている。(応募作品の中には)「パーソナルドキュメント」も、かなりあったんですけども。「パーソナルドキュメント」のとってもいいものと、ちょっと非常に個人的すぎる。ホームムービーの域を出てないみたいなものもありました。
他の人に観てもらうっていうことは、映画であれ、テレビであれ、どういうことであっても、他の人に観てもらうっていうところに辿り着けるっていうことで、逆に他の人に観せるためには、他の人がわかるようにわかるようにっていうことだけ言われがちだけど。他の人にわかってもらうという事をやることが、自分が一体何を考えているのだろうかっていうことに辿り着く。
辿り着く1つのハードルだと思うんですね。一番大事なハードルっていうか。
他の人に観てもらって喜ばれる作りっていうことでは決してなくて。志として決してなくて。他の人に観てもらうってことが、自分自身が一体何を考えているのかっていうことを探り当てていくっていうか。ということが、ドキュメンタリー作っていくうえでやってもらったら、もっといいドキュメンタリーが出てくるんじゃないのかなと思いました。
今年その応募した方で入選した方も、入選しなかった方も、撮り始めだ、というつもりで、その続きをまた自分なりに思いを入れながら撮っていくことがやっていけたら、こういう場を作ったことの意味があるんじゃないかなっと思っています。 もうコンテストだけで、10回以上。映画祭は14回なんですが、コンテストはおそらく今年で11回目ぐらいだと思うんですが。
この次、来年。来年やるのかなあって(笑)いつもいつも来年やれるんですか?って、僕はいつもそう言いながらここまで来たんですけども。来年やれるだろうかと思いながら。
でも、15回までいかなきゃね。14回まできたら15回までいかなきゃって僕は思っているんで。何とか15回までいったら、またその時考えればいいし、バトンタッチがどんどん若い人達の方に出ていてくみたいな事が、実現すればね。 続けてきた意味があるんで。こうやって最後まで残ってくれるていう方がいらっしゃるということも、続けてきてよかったし。
こういう場を作っていくっていうことが、例え大人数でなくても、少数でもちゃんと気持ちでしっかり繋がってるっていうようなことの証だと思うんで。
ずっと続けていけたらと思います。来年もよろしくおねがいします。どうもありがとうございます。

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