第15回(2017年)上映作品
シバ 縄文犬のゆめ(99分)
縄文の「いのち」を生きるシバ犬と、犬を愛する人々が織りなす愛情物語。まるでファンタジーのようなヒューマンドキュメンタリー。
柴犬の祖先は、日本犬のなかで最も古くから我が国に生息していたと言われています。この映画は、“縄文犬(じょうもんけん)”とよばれることもある柴犬の「純化」と「保存」に取り組んできた天然記念物柴犬保存会のリーダー照井光夫さんと、その仲間たちを3年間にわたって記録したドキュメンタリー。
照井さんは十代後半から「柴犬」の虜になってしまい、今では30頭近い犬と共に日々を過ごしています。柴犬保存会の創立者である中城龍雄氏の弟子を自認する照井さんは、縄文時代に私達の先祖が狩りの友としていた日本犬を理想とし、「柴犬」をその理想に戻す保存活動を半世紀に渡り、夢中になって取り組んできました。「縄文犬のゆめ」を追って来たのです。
縄文の昔から、私達人間はどれほどの進歩をしたのでしょう…。縄文の記憶を秘める犬達が、じっと私達を見据え「ウ〜…」「ワン!」「ワン!ワン!!」と吠え続けています。犬たちの記憶に触れ、私たち自身の記憶を呼び覚ます物語に、思いを巡らせてもらえたら嬉しい。
伊勢 真一 監督
ドキュメンタリー映像作家。1949年東京生まれ。
『奈緒ちゃん』『えんとこ』『風のかたち』をはじめ、数多くのヒューマンドキュメンタリーを製作。
『風のかたち』文化庁映画賞・カトリック映画賞受賞。
『大丈夫。』キネマ旬報文化映画第1位、
『傍(かたわら)〜3月11日からの旅〜』キネマ旬報文化映画第6位。
2012年日本映画ペンクラブ功労賞
2013年度シネマ夢倶楽部賞受賞。
近作は『シバ 縄文犬のゆめ』(2013年)
『妻の病 −レビー小体型認知症−』(2015年)
『ゆめのほとり −認知ープホーム 福寿荘−』(2015年)。
最新作は『いのちのかたち −画家・絵本作家 いせひでこ−』(2016年)。
現在、『元気? −奈緒ちゃん・36年の記録−』(仮題)を製作中。