ヒューマンドキュメンタリー映画祭・阿倍野|第15回・2017年度映画上映

第15回(2017年)上映作品

夜明け前の子どもたち(120分)

『夜明け前の子どもたち』は、1968年製作の日本の福祉ドキュメンタリーの原点と言われることもあるドキュメンタリー史にのこる名作です。
企画・監修したのは、知的障がい者の父と呼ばれた故糸賀一雄氏、我が国最初の重症心身障がい児施設「びわこ学園」を舞台に、その療育活動をおよそ一年間記録しました。
糸賀一雄氏がかかげた「この子らを世の光に」の理念の実践としての記録映画創りは、障がいのある子どもたちを厄介な病人としてとらえるのではなく、発展途上において足ぶみしているだけの、一人ひとりの人間として見つめる視点に貫かれています。 どんな障がい児も、自己実現の可能性を秘めているという生命感が、「びわこ学園」に根付いていたからでしょう。
映画は医療と療育の一体化した取り組みを記録し、日々の生活の中に発達の芽があることを描き切っています。

柳澤 寿男 監督

監督は、福祉ドキュメンタリーをライフワークとした柳澤寿男氏、撮影は、後に『奈緒ちゃん』を伊勢真一監督と共に撮った、瀬川順一カメラマンです。
50年前に製作されたこの映画を「ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》2017」で観てもらうことを通じて、私たちの時代の福祉を、社会を、生きることを、もう一度見つめ直すことが出来ればと考えました。

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