6月25日(日)15:00上映(終了しました)
「やさしく なあに 〜奈緒ちゃんと家族の35年〜」(仮題) 未完成版
「この子は長く生きられない…」
医者にそう言われた、と姉がてんかんと知的な障がいを持つ長女・奈緒ちゃんのことを私に話してくれたのは、奈緒ちゃんが2才か3才の頃だったか…
自分に出来ることは映画を創ることだ。家族のアルバムのような記録を撮ってみようと思い、8才の正月、1983年1月3日にカメラは回り始めました。
撮るべきものは「元気な奈緒ちゃん」。
奈緒ちゃんはどんどん元気になり、奈緒ちゃんを育てながら、姉も又、元気に成って行きます。
奈緒ちゃんのお母さんは、障がいのある子どもを持つ仲間たちのリーダーとして「ぴぐれっと」と呼ばれる地域作業所を立ち上げ、地域の中で障がいのある一人ひとりを育てる活動に取り組みます。
私はその過程を、『奈緒ちゃん』『ぴぐれっと』『ありがとう』という三本のドキュメンタリー映画にまとめました。
それでも撮影を止めませんでした。
「元気な奈緒ちゃん」を撮る、という約束を果たすために。
気がついたら、35年の歳月が積み重ねられていたのです。
「長くは生きられない…」と言われた奈緒ちゃんがしっかりと生き続けた事実を観てもらわなければ、「生きたぞ!」「生きてるぞ!」と言わなければ、と思いたったのは2016年の夏でした。
奈緒ちゃんは44才、元気です!
「奈緒ちゃんが生まれたから、生きたから、たくさんの命が生きた…」
伊勢 真一 監督
ドキュメンタリー映像作家。1949年東京生まれ。
『奈緒ちゃん』『えんとこ』『風のかたち』をはじめ、数多くのヒューマンドキュメンタリーを製作。
『風のかたち』文化庁映画賞・カトリック映画賞受賞。
『大丈夫。』キネマ旬報文化映画第1位、
『傍(かたわら)〜3月11日からの旅〜』キネマ旬報文化映画第6位。
2012年日本映画ペンクラブ功労賞
2013年度シネマ夢倶楽部賞受賞。
近作は『シバ 縄文犬のゆめ』(2013年)
『妻の病 −レビー小体型認知症−』(2015年)
『ゆめのほとり −認知ープホーム 福寿荘−』(2015年)。
最新作は『いのちのかたち −画家・絵本作家 いせひでこ−』(2016年)。
現在、『元気? −奈緒ちゃん・36年の記録−』(仮題)を製作中。