阿賀に生きる(115分)監督:佐藤 真

阿賀に生きる(115分)監督:佐藤 真

映画は川筋に暮らす人々。山間の鹿瀬(かのせ)町に住む長谷川芳男・ミヤエさん夫婦。

木舟を作る大工・遠藤武さん、餅つきの職人・加藤作二さんとその妻キソさんらの日々を中心に進んでいく。川船頭・帆苅周弥さんの語る川風の呼び名、その帆苅さんが会長を務める水俣病患者の会の活動。鹿瀬町の夏祭り。舟作りをやめて5年もたつ遠藤さんの仕事場。

新潟水俣病の裁判史上はじめて、労働者の立場から水銀垂れ流しの実態を証言した江花豊栄さんの話。

やがて遠藤さんは初めて弟子を取り、川舟造りを教えるようになり、また天正川の漁師たちが、長谷川さんの鉤釣り漁を再び行うという、夢の実現を手伝ってくれる。

そしてまた春。今年も長谷川さん夫婦は田植えの準備を始める。

ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭銀賞ほか受賞多数

佐藤 真(監督)

佐藤 真(監督)

1957年、青森県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。大学在学中より水俣病被害者の支援活動に関わる。
1981年、『無辜なる海』(監督:香取直孝)に助監督として参加。1989年から新潟県阿賀野川流域の民家で住み込みながら撮影を始め、1992年、『阿賀に生きる』を完成。ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭銀賞、など国内外で高い評価を受ける。以降、『まひるのほし』(1998)、『SELF AND OTHERS』(2000)、『花子』(2001)、『阿賀の記憶』(2004)、『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(2005)を発表。他に映画やテレビ作品の編集・構成、映画論の執筆など多方面に活躍。京都造形芸術大学教授、映画美学校主任講師として後進の指導にも尽力。2007年9月4日逝去。享年49。