柴田 誠

柴田 誠(監督)

1968年京都生まれ。「ビジュアルアーツ専門学校・大阪」教員スタッフ。『ハダカの城』が初の劇場監督作品となる。

偽装告発
− これは始まりの終わりであって、終わりの始まりではない
2002年1月23日。
日本の"食の安全と信頼"を脅かす事件が発覚した。
BSE(狂牛病)による業界支援制度を悪用した、
「雪印食品による牛肉偽装詐欺事件」。
その朝日、毎日新聞のスクープ記事の基となったのが、
兵庫県・西宮市にある倉庫会社、西宮冷蔵・水谷洋一社長の内部告発だった。
告発から3ヶ月後、雪印食品は解体。
しかしその後、西宮冷蔵も、
偽装詰め替え作業時に「在庫証明書が改ざんされていた」と、
国土交通省より営業停止処分をうける。
続けて、内部告発の反感からか、相次ぐ取引先の撤退。
西宮冷蔵の業績は追い込まれてゆくことになる。
2003年5月25日には、
電気代滞納により、ついに倉庫への送電が停止される。
だが、理不尽な、巻き添えをくった廃業に納得がいかなかった。
2003年10月。大阪・梅田、曾根崎陸橋。
寒風に揺れる『まけへんで!! 西宮冷蔵』の幟。
水谷社長は、「西宮冷蔵、再建」を目指し、
告発の経緯を記した書籍販売の露店を開いていた。
わずかな生活費を稼ぐのと、再建支援のカンパを募るのが目的だったが、
自らの信念の火が消えていないことを社会に証明するためでもあった。

 

この作品は、その陸橋での活動から会社再建、営業再開へと続く、
"寡黙な戦(いくさ)"の記録である。

公式HP: http://black.ap.teacup.com/bardbone/

【予告編】 ハダカの城